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The Knights Templar

世キリスト騎士の典型である十字軍の影響を受けて、ヨーロッパには新たな世界が広がった。
それが武装修道会と呼ばれる概念であり、やがて欧州のみならず中東にまで絶大な影響力を及ぼすよう運命づけられていた。12世紀頃に3つの武装修道会(ホスピタル騎士団テンプル騎士団チュートン騎士団3大キリスト教武装修道会)が誕生したが、極めて重要なのは2つの騎士団だった。12世紀当初、聖ヨハネ騎士団と*ソロモン神殿騎士団が剣を握った修道士らによって結成された。この伝説的な騎士団は、世界で初めてのキリスト教武装修道会だった。同時に、聖職者である彼らが戦場で血を流すことを許可されたのは、歴史的に見ても異例中の異例の出来事だった。聖ヨハネ騎士団は後にホスピタル騎士団となり、ソロモン神殿騎士団はテンプル騎士団と呼ばれた。ホスピタル騎士団は長く成功を収め、現在も活動を続けている。皮肉なことは、最初に滅亡したのはテンプル騎士団だったということだ。

 

*イスラエルの伝説的な魔術師達の王ソロモンから由来。古代イスラエル第3の王にあたる。

ンプル騎士団は12世紀の始め、パレスチナにて8人の騎士らによって結成された。
その時のリーダーはユーグ・ド・パイヤンという高名な騎士であった。パイヤンはテンプル騎士団で最初のグランド・マスターとなった。騎士団の中で、マスターはそれぞれの隊長達のことを指していた。グランド・マスターはその総隊長に当たる。彼の名は、テンプル騎士団最後の団長であるジャック・ド・モレーと同じくらい有名なものである。ジャック・ド・モレー、彼はテンプル騎士団の呪われた運命を主張するべき人物であった。テンプル騎士団の終焉は本文の終盤に記してある。多くの騎士らがそうであったように彼もまた異教徒の疑いをかけられ、ノートルダム近くのセーヌ川にて、生きたまま火炙りの刑にされた。その時、自らを陥れたフィリップ4世と教皇クレメンス5世を呪ったとされるが、真相は定かではない。しかし教皇と王の二人は、モレーの死から1年後に死亡した。このようにテンプル騎士団の歴史は神秘に満ち、また謎めいた秘密を多く含んでいる。実際、テンプル騎士団は貧しいといわれていたにも拘らず、名声と信仰を得ることによって莫大な富を抱えていた。彼らの正式な名前は「キリストとソロモン神殿の貧しき戦友たち」であったが、しだいに富を増すにつれ、その創設初期のコンセプトは薄れていった。騎士団が没した後も、"その莫大な財宝は何処かに持ち去られたか隠されたかしたのだ"と唱えられ騎士団の存在は歴史から伝説へと変わっていった。やがて時代が中世から現代に移り、テンプル騎士団の神殿跡や拠点跡から財宝が発掘されたという事実は、それを証明するに至る。また、これらの神秘的な要素は好んで映画やオカルト等に多く用いられた。有名なものとしては「インディ・ジョーンズ」、「ナショナル・トレジャー」、「ダヴィンチ・コード」等が挙げられる。このような物語では、テンプル騎士団の失われた財宝の謎が解き明かされたり、神話上の聖杯が登場した。果たして彼らは実際に聖杯を守護していたのだろうか?

昔から、多くのオカルティストたちがテンプル騎士団の神秘性について示唆してきた。これは彼らの最後があまりにも謎に満ちていたことに由来する。一般的な定説としてテンプル騎士団は、当時のフランス王、端麗王フィリップ4世教皇クレメンス5世の陰謀によって滅亡した。フィリップ4世は強大な権力者であり、教皇クレメンス5世さえもぐぐつとした。彼はクレメンス5世を教皇に推奨し、それが成功した後の1307年にテンプル騎士団を破滅させる計画が実行された。テンプル騎士団が消滅すれば、莫大な富が流れ込むことは確実に思われた。14世紀の始頃、当時フランスにいた騎士団数千人は、偶像崇拝、魔術、悪魔崇拝者として逮捕され拷問された。すべてがフィリップ4世の陰謀であった。そして暗き牢獄で多くの騎士達は死んでいった。また生き延びた者は、たとえ自分にその罪がなくとも自白し自ら罪を認めた。しかし終ぞ、フィリップ4世がテンプル騎士団の財宝を手にすることはなかった。なぜなら1312年にクレメンス5世がテンプル騎士団を正式に解散させた後、財産はもう一つの武装修道会、ホスピタル騎士団に引き渡されたからだった。しかし中世の歴史の一角を担った修道騎士達が、悲劇的な最後を遂げたという事実に変わりはない。彼らが魔術師であった事実や、神秘主義者であった記録は一切残ってはいないが、今なお信じている者がいるのもまた事実である。テンプル騎士団の真の部分は、黄金に輝く財宝と共に何処かに消えてしまった。

 

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